コザクラインコ日誌

コザクラインコの里親様募集・飼育・環境などの情報

1 コザクラインコの雛の餌(生後2ケ月未満)

 コザクラインコは、生まれてから成鳥になるまでに主に、雛、中雛、若鳥、成鳥と4つの成長過程があり、この4つの成長過程にあわせた餌を与えることになります。

1 雛の餌(生後2ケ月未満)

 雛に与える餌は、一般的にフォーミュラと言われる雛にとってバランスよく栄養が摂取できるパウダー状の餌をお湯に溶かして与えます。お湯の温度は、左下の写真のケイティのエグザクトフォーミュラなら、説明書きによると40.5度(華氏105度)の仕様になっています。また、真ん中の写真のシッタカスなら、34~35度で、右下のラウディブッシュのフォーミュラ3は、50~60度です。

   

雛の餌は、フォーミュラだけで問題ありませんが、エグザクトフォーミュラやラウディブッシュのフォーミュラ3なら、それ以外に目や羽や内臓の発育、しっかりとした体型、脚力の強化、成長促進、免疫力を高めること等を期待してペットミルクやネクトンMSAを挿し餌に混ぜて与えることもあります。お湯の温度は、ペットミルクは40度以下、ネクトンMSAは38度以下です。

これらから、雛の餌としてフォーミュラにペットミルク、ネクトンMSAを入れたり、シッタカスのフォーミュラの仕様からも、雛の餌に使用するお湯の温度は35度以下にするのが無難と言えます。

 


シッタカスのフォーミュラは、他のフォーミュラと比較すると脂肪分や栄養価等が高いため何も加えずそのまま与えた方が良く、フルーツ系の良い香りがして、食滞が少なく、発育も良く、羽色も鮮やかに発色し、糞の臭いも餌と同じ匂いになるなど、あらゆる点で他のフォーミュラより断トツに優れていますが、日本に輸入されるようになってから日が浅いこともあり入手が困難な時がありますので注意が必要です。
また、シッタカスのフォーミュラは、ケイティのエグザクトフォーミュラと粒子を比較するとよく分かりますが、少し粒子が大きく生後2週間頃から与える仕様になっていますので、生後0~14日位までは、ケイティのエグザクトフォーミュラのような粒子が小さなフォーミュラを与えることをお勧め致します。

   

挿し餌を与えている時期の雛は、挿し餌に含まれる水分だけで十分水分を摂取できますので、挿し餌に含まれる水分以外に水を与える必要はありません。

また、挿し餌を作る時は、よく、お湯で溶かして挿し餌を作るように言われがちですが、温度によって栄養分が壊れないようにするためにも、フォーミュラはお湯で溶かすのではなく、水で溶かして湯煎によって目的の温度になるようにした方が安全です。

コザクラインコの雛に粟玉を与えている人を見かけますが、コザクラインコの雛は内臓が傷つきやすく、粟玉を与えると血便する雛がいます。粟玉は硬いため軟らかくするために熱湯につけることや、もともと栄養価や栄養バランスも悪いため、コザクラインコの雛には粟玉は餌として適していません。

また、雛に挿し餌を与える時にスプーンを使うことがありますが、雛にスプーンで挿し餌を与えると、こぼす量が多く、食べた量が分かりにくい事や、雛によっては食滞を起こし、スプーンでは十分な量を食べず、強制給餌しなければならない可能性があることから、雛の餌はシリンジで与える方が良いです。

挿し餌は、雛にスプーンで餌を食べさせるというイメージがありますが、実際に挿し餌をする時は、雛に栄養を飲ませて、そのうに栄養を溜めるのが挿し餌だと表現した方が分かりやすいと思います。人で言えば、赤ちゃんはミルクを食べるのではなく、飲むと表現しますが、全く同じです。

ダルマインコの挿し餌の例


コザクラインコの円滑な強制給餌の例

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ヨウムの円滑な強制給餌の例



雛が実際に食べた量を知るには、雛に餌を与える前後に体重計で計って調べます。雛が食べる餌の量は個体差がありますが、よく餌を食べる雛は1回の挿し餌で10g程度食べます。


また、雛は、餌を消化できずに食べた餌がそのまま糞として排出され、消化酵素系のサプリメントを必要とする時が少なくありません。そういった場合、以下のようなサプリメントが効果的です。

ただし、様子がおかしいと感じた時は、直ぐに係り付けの獣医さんと相談した上で、上記のようなサプリメントを服用することをお勧めいたします。